こんなに多い! 瞑想のメリット
瞑想には、数多くのメリットがあることが分かっています。ざっと挙げるだけでも「心の安定」「不安の緩和」「集中力の向上」「生産性の工場」「観察力の向上」「思いやりアップ」「ストレス軽減」「意思決定力の向上」「共感力の向上」「免疫力アップ」……。これらのメリットが見込まれる一方で、副作用はありません。多くの企業・エグゼクティブ・セレブリティ・スポーツ選手が採用するのも納得ですね。
瞑想の効果については、様々な研究がなされています。例えば米カリフォルニア大学デービス校(UCLA)における『シャマサ・プロジェクト』において、瞑想をしている人は、瞑想をしていない人に比べてテロメアの活動が非常に高いことが判明しました。テロメアとは染色体の末端にある保護構造であり、細胞分裂が行なわれる度に短くなっていきます。瞑想によって、テロメアの構築を助ける「テロメラーゼ」という酵素が活性化することで、強いテロメアが作られるというのです。つまり、瞑想はアンチエイジングにも効果的ということですね。
免疫力アップ、睡眠の質も改善
さらに、瞑想によって深いリラックスを感じることが出来れば、副交感神経が働き、自律神経のバランスが整います。結果、低下した免疫力が回復することも見込めます。
免疫とは単に病気にかかりにくくするだけでなく、身体を若々しく健康に保つ機能のこと。自律神経には交感神経と副交感神経とあり、日中には交感神経が活発となって血圧や血糖値を高め、また血液を脳や筋肉、内臓などに運ぶ役割があります。一方で副交感神経は夜間に活発となり、全身をリラックスさせます。お風呂などに入った時、ふーっと一息つくことがあるでしょう。あの時に、副交感神経が優位になりつつあります。身体を回復させる神経で、内臓の働きを清浄化する効果があります。
現代人は長時間のPCやスマホ利用などで、多くのブルーライト(目に見える光の中で、最も強いエネルギーを持つ)などストレス過多な環境に置かれています。厚生労働省のガイドラインでも、「1時間のデジタルディスプレイ機器による作業を行なった際には、15分程度の休憩を取る」ことが推奨されているほどです。
我々現代人は、もはやPCやスマホなしには生きていけないと言っても過言ではありません。しかし、スマホの見過ぎはドライアイや眼精疲労、不眠、さらには鬱の原因にもなり得ます。瞑想を取り入れることで、物理的にスマホから遠ざかることができますし、リラックスすることで副交感神経優位につながり、ぐっすり眠れることが期待できます。
よりうまく生きられるように
2005年の研究によると、1日に数十分瞑想を行なっている人は、そうでない人に比べ大脳新皮質の厚みが増していることが判明しました。
ヒトは二足歩行をするようになり、道具を用いるようになったことで細かい作業が劇的に増大しました。このことに対応し、大脳新皮質は肥大化したと言われています。大脳新皮質は、高度な精神活動を司る部位です。この部位が厚みを増すことで、脳の老化がゆっくりとなります。また、大脳新皮質は大脳の部位のうち簡単にいえば「よりよく生きよう」とする部位を指します。下等生物はこの部位が小さく、逆に高等生物は大きいとされています。
人間関係や社会をうまく生き抜くために発達した、大脳新皮質。ここが瞑想によって増えることは、すなわち「よりうまく生きることができるようになる」と言っても過言ではありません。
痛み止めの効果も?
これはあくまで個人差がある話であり、科学的にしっかりとした根拠はありません。しかしながら、瞑想をすることで軽度の痛みならば軽減した、もしくは無くなったというケースはあるようです。
例えば精神的なストレスから来る腹痛、あるいは頭痛などが瞑想によって軽減したというケースです。ストレスによって血圧が高くなり、血管を圧迫することで頭痛が生じるケースがあります。瞑想を行なって呼吸を安定させることで自律神経が整い、さらに深く息を吐ききることで副交感神経が優位になり、結果として血圧が低下して頭痛が消えるというケースはありえるでしょう。
また現代人に急激に増えているものに、『過敏性腸症候群(IBS)』があります。検査を行なってもどこにも異常がないのに腹痛がある、下痢になる、あるいは便秘になる、ガスがたまる、腹部に膨満感がある……といった症状が起こるものです。このIBSはストレスによって起こるとされており、さらにIBS自体がストレスの原因となってさらなる悪循環を発生させるケースがあります。
瞑想をすることでストレス自体が軽減し、結果としてIBSの引き金となる因子を抑え、症状が軽減することはあるのではないでしょうか。あくまで個人差があり、医学的な根拠に十分に基づいたものではないものの、こうした症状に悩む方は一度試す価値はあるかもしれません。